表浜海岸の背景

表浜海岸

みなさんは表浜という海岸をしっていますか。表浜と親しみをもって呼ばれる海岸。主に渥美半島の大平洋側の海岸を地域では通称で表浜と呼んでいます。さて、文字から察するに表の浜・・・どのような意味があるのでしょうか、海岸に表の浜だなんて・・・だとしたら裏はあるのでしょうか。実はその通りなんです。表浜と裏浜があるのです。渥美半島の得意な地形に所以があるのです。渥美半島は愛知県の東部、遠州灘から三重県は鳥羽に向かって東西に延びた半島です。この渥美半島は新生代に段階を経てドーム状に隆起(渥美曲隆運動)して出来上がった半島です。この外海と内海を隔てる半島の沿岸は、まさに二つの環境を持っています。静かな内海の裏浜と対象的な荒々しい太平洋の波を受け止める外海の表浜。まったく対象的な沿岸を持っている渥美半島、大洋の黒潮の影響を多く受け止めてきた表浜海岸。また、この表浜海岸を取り巻く地形的な環境も、日本列島として見てみると興味深い場所です。ちょうど、伊勢湾が日本列島の東西を分けるような位置にあり、その伊勢湾を太平洋から蓋をするような半島が渥美半島です。日本列島の地図を見てみて見ると伊勢湾を隔てて東西に様相がまったく違う海岸線になっていることに気が付くでしょう。西の三重県側は複雑なリアス式の海岸線から伊勢湾の緩やかな海岸線に繋がっています。地質的にもゴツゴツとした岩を彷彿とさせます。伊良湖水道を境に、東の海岸線(表浜海岸)は遠州灘という緩やかな二つのアーチが連なったような緩やかな海岸線になっています。まさに日本列島を中心で分ける、異なる海岸線が東西に延びていると言うことに気が付きます。 この地域は中央構造線という地球の大きな裂け目に沿って地盤が出来上がり、海岸線が延びていることと、そして太平洋から伊勢湾という外海から内海へと懐深く、海が陸に交わっていること。日本列島が地球の大陸プレートがぶつかりあって出来た経緯からも 、様々な環境が交差していることがうかがわれます。表浜海岸はこのような大きな環境の交差している位置にあると言っても良いのでしょうか。

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実際に表浜海岸を訪れたことがある人は、たいてい驚きます。なぜなら水平線は東西に180度の展開、さらに白い砂浜と丘陵が延びて、大平洋が圧倒するように目の前に迫ってきます。空と対象に海が拡がる景観を見て、何故にこのような広い海岸線がここに在るのか不思議に思うことでしょう。実は表浜海岸は主要な国道である42号線(通称:表浜街道)からはほとんど観ることが出来ません。なぜなら渥美半島の地形にあるのでしょうか、私たちの生活圏からは丘陵の森が見えるだけで、国道からは、たまにしか海が見えないからです。しかし、このことが幸いしてか、昨今に於いて表浜海岸の自然は比較的に良い状況で残されたのかも知れません。もし、一度も表浜海岸に立ったことが無いのでしたら、是非とも一度、海岸、砂浜に歩み出してみて下さい。砂浜の波打ち際に近づくと、背後には照葉樹林が拡がる丘陵、前面には蒼い太平洋、東西を見ると弓状に延びる渥美半島が姿を現します。そして丘陵を見ると所々に海食崖が目に映ります。いくつもの筋で丘陵には谷が走り、その景観はまさに古から、続いてきた地球の歴史を体験出来るでしょう。 そして海食崖の下方には、表浜海岸が遠州灘である理由の長く連なる白い砂浜があります。この砂浜は日本列島の屋根と呼ばれる中央アルプス、南アルプスから遠州灘を伝わって運ばれ、さらに徐々に風蝕や海蝕で削られた土砂も加わってきています。

Atsumi